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2026.05.06 / COLUMN
「インド人エンジニアを採用したい」「IITの卒業生が優秀と聞くが、どうすれば接点が持てるのか」——近年、こうした声が日本の人事部門や経営企画部門から急増しています。GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏、パロアルト・ネットワークスのCEOニケシュ・アローラ氏、インフォシス創業者ナラヤナ・ムルティ氏。シリコンバレーのテック巨人を率いる顔ぶれの多くが、インド工科大学(IIT)の卒業生です。
IITへの入学は、日本の東京大学や京都大学をはるかに上回る倍率をくぐり抜けた証明です。全国から150万人以上が受験するJEE(統一入学試験)で上位約1%に入った者だけが門をくぐれます。しかし、その実態——23校の位置づけの違い、受験生が集まる街「Kota(コタ)」の壮絶な受験文化、キャンパスリクルーティングの独特な仕組み、そして日本企業が活用できる具体的な採用経路——を体系的に理解している日本人は多くありません。
本記事では、IITの全体像と教育システムから、日本との縁が特に深いIIT-H(ハイデラバード校)の詳細、そしてJETROが支援する「Japan Career Day」を含む実践的な採用アクションまでを、経営企画・人事担当者の目線で徹底解説します。IIT卒業生の採用を本気で検討する企業にとって、必携のガイドとなるはずです。
💡 本記事のポイント
IITとは、Indian Institutes of Technology(インド工科大学)の略称で、インド全土に設置された国立の理工系大学群を指します。一つの大学ではなく、「IIT法(1961年インド工科大学法)」に基づいて設立・運営される23の国立大学の総称です。インド政府が「国家的に重要な研究機関」と法律で定めており、運営予算や政策面でも特別な位置づけを与えられています。
IITの起源は、1947年のインド独立直後に遡ります。当時の首相ジャワハルラール・ネルーは、工業化による経済発展こそが新生インドを豊かにする道だと確信し、世界水準の理工系人材を育成する国立大学の創設を構想しました。
1951年、西ベンガル州カラグプルに第1号校が設立されます。その後、ソビエト連邦(IITボンベイ)、アメリカ(IITカンプール)、西ドイツ(IITマドラス)、イギリス(IITデリー)といった各国の支援を受け、1960年代にかけて次々と開校しました。設立当初から「インドのMIT」を目指す国際的な視野がありました。
その後、2001年前後から政府の教育拡充政策によって第2・第3世代の新設校が急増し、2008年以降に設立されたIIT-H(ハイデラバード)やIITガンジナガルなどを含め、現在は全国23校体制となっています。
IIT23校は、設立時期によって大きく「Old IIT」と「New IIT」に分類されます。この区分は採用市場において非常に重要な意味を持ちます。
Old IIT(伝統校・8校):
| 校名 | 設立年 | 所在地 |
|---|---|---|
| IIT Kharagpur(カラグプール) | 1951年 | 西ベンガル州 |
| IIT Bombay(ボンベイ) | 1958年 | マハーラーシュトラ州 |
| IIT Kanpur(カンプール) | 1959年 | ウッタル・プラデーシュ州 |
| IIT Madras(マドラス) | 1959年 | タミル・ナードゥ州 |
| IIT Delhi(デリー) | 1963年 | デリー連邦直轄地 |
| IIT Guwahati(グワーハーティー) | 1994年 | アッサム州 |
| IIT Roorkee(ルールキー) | 2001年(前身は1847年) | ウッタラーカン |
| IIT BHU Varanasi(ヴァラナシ) | 2012年(前身は1919年) | ウッタル・プラデーシュ州 |
New IIT(2008年以降設立・主要校): IIT Hyderabad(2008年)、IIT Gandhinagar(2008年)、IIT Patna(2008年)、IIT Bhubaneswar(2008年)など15校が含まれます。
Old IITは卒業生ネットワーク(アルムナイ)が充実しており、50年以上の歴史が蓄積した研究設備と企業との連携実績を持ちます。採用市場においても、Old IIT卒業生の初任給はNew IIT卒業生を上回る傾向があります。一方、New IITであっても、IIT-Hのように特定の強みを持ち急速に評価を高めているケースもあります。
インド政府教育省が毎年発表するNIRF(National Institutional Ranking Framework)ランキング2025年版(※1)では、IITマドラスが工学部門・総合部門の双方で首位を維持しています。総合上位にはIITが多数ランクインしており、2025年版では1位マドラス、3位ボンベイ、4位デリー、5位カンプール、6位カラグプールなどOld IITが上位を独占しています。New IITの中で最上位に位置するIIT-Hは総合12位(工学部門では7位)です。
世界ランキングでの位置づけは「意外に低い」と感じる方もいるかもしれません。QS世界大学ランキング2025年版(※2)では、IITボンベイが120位台、IITデリーが150位台に位置します。ただし、これは論文引用数や留学生比率など多様な指標が反映されるためで、特にComputer ScienceやEngineering分野に絞ったランキングでは、IITボンベイ・デリー・マドラスが世界100位以内に入ることもあります。
「IITへの入学は、ハーバード大学やMITよりも難しい」——この言葉は誇張ではありません。数字が示す競争の激しさは、世界でも類を見ないレベルです。

IITへの入学は、二段階の統一入学試験「JEE(Joint Entrance Examination)」によって選抜されます。
第1段階:JEE Main(ジョイント・エントランス・イグザミネーション・メイン)
毎年1月と4月の2回実施されます。全国から約150万人が受験する超大規模試験で、数学・物理・化学の3科目が問われます。合格できるのは上位約25万人(受験者の約16〜17%)のみです。この25万人がJEE Advancedの受験資格を得ます。
第2段階:JEE Advanced(ジョイント・エントランス・イグザミネーション・アドバンスド)
JEE MainをパスしたTop 25万人が挑む最終関門です。2025年のJEE Advancedは「近年最難関」と評され、特に物理の難易度が際立っていたと分析されています。IITに実際に入学できるのは、この試験の上位約1.5万〜1.6万人のみです。
つまり、最終的な合格率は約1%。 150万人の受験生のうち、IITに入学できるのはわずか約1万5千人です。
IITの入試における競争はさらに深刻な側面を持ちます。受験は18歳未満で高校を卒業した者が対象で、受験回数は連続する2年間、最大2回に制限されています。一発勝負に近いこの制約が、受験生と家族に「今しかない」という強烈なプレッシャーをもたらします。
インドのラジャスタン州中部に位置する都市「Kota(コタ)」——人口約100万人のこの内陸都市が、IIT受験に向けた日本でいう「予備校の街」として全国に知られています。
コタの教育産業の起源は1990年代初頭です。地元出身の予備校講師Vinod Kumar Banskiwal氏が少人数制の理系予備校を開いたことが発端で、その高い合格実績が口コミで広がり、インド全土から受験生が集まるようになりました。現在は大手コーチング機関「Allen Career Institute」「Resonance」「Bansal Classes」などが競合し、合計で約18万人の学生が在籍しています。
コタに集まる受験生のほとんどは、地元を離れて寮やPG(ペイング・ゲスト:民間下宿)で共同生活を送りながら受験勉強に専念します。学費は大手機関で年間15〜22万ルピー(約25〜38万円)、寮費や生活費を加えると年間50〜100万円近くに達する場合もあります。インドの平均的な家庭にとってこれは決して小さな投資ではなく、子供をコタに送り出す家庭の経済的な覚悟がわかります。

コタの日常は、朝6時から始まる授業、週次テスト、全国模擬試験の繰り返しです。Netflixで配信されているインドの人気ドラマ「Kota Factory」はコタの受験生活をリアルに描いており、受験文化の過酷さと受験生同士の絆を知る上で参考になります。一方で、過度のプレッシャーによるメンタルヘルス問題や自殺事案も社会問題として報道されており、インド政府はコタの予備校に対してストレス管理プログラムの導入を義務付けるなどの対策を講じています。
IITへの受験勉強が与える影響は、単に試験の得点力にとどまりません。
JEE Advancedの問題は、教科書の知識を「知っているか」ではなく、「複数の概念を組み合わせて未見の問題を解けるか」を問います。物理・数学・化学の各問題は、複数の原理を重ね合わせた複合問題が中心で、解法パターンの暗記では対応できません。2〜3年間にわたりこのような問題と格闘した経験が、IIT生の「問題分解力」「論理的思考の粘り強さ」「プレッシャー下での集中力」を育てます。
日本企業がIIT卒業生と接点を持った際に「飲み込みが異常に速い」「指示を与えなくても自走する」と感じることが多いのは、この受験プロセスで培われた素地が大きく関係していると言えるでしょう。
IIT23校の中でも、日本企業にとって特別な入口となるのがIIT Hyderabad(インド工科大学ハイデラバード校、通称IIT-H)です。その理由は単純明快で、IIT-Hは日本政府とJICA(国際協力機構)の支援によって設立・整備された大学だからです。
IIT-Hの設立は、2007年の日印首脳会談に遡ります。当時の安倍晋三首相とマンモハン・シン首相が「インドにおける新IITへの日本の支援」を合意し、テランガナ州に新設されるIITを日本が支援することが決定しました。
JICAは2014年に日本政府とインド政府の間で「円借款協定」を締結し、計約230億3500万円(当時レート換算で約1,50億ルピー)の資金援助を実施しました(※3)。この資金がキャンパス施設の建設(21棟)と研究設備の調達に充当されています。さらに特筆すべきは、キャンパス内の6棟——学生スポーツ・文化センター、研究センター複合棟、知識センター、技術インキュベーションパーク、国際会議センター、国際ゲストハウス——が東京大学の日本人建築家によって設計されたことです。キャンパス内を歩くと、インドの大学とは思えない日本的なデザイン感覚に気づく訪問者も少なくありません。
2024年2月には、完成した施設の落成式にナレンドラ・モディ首相が出席し、日印協力の象徴として盛大に祝われました。
テランガナ州サンガレッディ県に広がるIIT-Hのキャンパスは、面積約2.4km²に及ぶ広大なものです。2025年時点で約5,249人の学生が在籍(学部生・大学院生・博士課程含む)し、学士・修士・博士の各課程で多岐にわたる専門分野を学べます。
研究実績も目覚ましく、2024年時点での累計特許公開数は294件以上、発表論文数は9,239本(2023年累計)、外部連携プロジェクトは3,538件(2024年累計)(※4)に達しています。NIRFランキング2025年版では国内総合12位(※1)、エンジニアリング7位(※5)、イノベーション部門6位(※6)と、New IITの中で最上位クラスの評価を得ています。
キャンパス内には24時間セキュリティ体制が整備され、循環バス(朝7時30分〜23時過ぎ、10〜30分間隔)が運行する自完結型の生活環境が整っています。スズキ・イノベーションセンターをはじめ、日本企業が直接構えた産学連携拠点も複数あります。
JICAとIIT-Hの連携の象徴的な取り組みが、FRIENDSHIPプロジェクト(Fellowships for Research and IIT Hyderabad Network Development in Science, HIP for Excellence in the Post-graduate Research)です。2012年にJICAが立ち上げたこのプロジェクトは、IIT-H卒業生を日本の大学院に派遣する奨学金プログラムで、累計130名以上の卒業生が日本の大学院に留学し、33名以上が日本の大学や企業に就職しています(※7)。
このプロジェクトは単なる留学支援にとどまらず、IIT-Hと日本の大学・産業界との共同研究ネットワークを構築する役割も果たしています。「JAPAN DESK」と呼ばれる専担窓口がIIT-H内に設置されており、日本関連の問い合わせを一元対応しています。これは23校のIITの中でもIIT-H特有の機能です。
IIT卒業生を採用するにあたって、最も理解しておかなければならないのが「キャンパスプレースメント(Campus Placement)」と呼ばれる独特の一括採用システムです。日本の就活とは構造が大きく異なります。

IITのキャンパスプレースメントは、大学の就職支援部門「Placement Office(プレースメント・オフィス)」が企業と学生の間を仲介する形で運営されます。
タイムラインは概ね以下の通りです:
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 7〜9月 | 企業のプレースメントポータルへの登録・求人票の提出 |
| 9〜11月 | オンラインテスト・書類選考(インターンシップ採用も同時進行) |
| 12月初旬 | 本採用の選考開始(”Placement Season”スタート) |
| 12月〜翌5月 | 各企業がキャンパスを訪問して面接・内定出し |
特筆すべきは12月の「Placement Season」開始のスピードです。 IITの場合、Day 0やDay 1と呼ばれる「優先日」を設定しており、この日程に招待される企業とされない企業で、実質的に採用競争力に大きな差がつきます。
IITのキャンパスプレースメントにおける「Day 0」「Day 1」「Day 2」とは、企業がキャンパスに来訪して選考を行う「優先順位の日程」を指します。
Day 0(PPO:Pre-Placement Offer):サマーインターン(5〜6月)に参加した学生に対して、インターン後に内定を出す形式。実質的にキャンパス採用が始まる前に、インターン経由で優秀層を確保するルートです。
Day 1:プレースメントシーズン最初日(12月初旬)に選考を行う企業群。GoogleやMicrosoftなどのビッグテック、ゴールドマン・サックス等の外資金融が中心です。IITの学生の多くがDay 1企業からのオファーを「第一希望」と考えており、この日に内定が出た学生は以後の選考に参加しない場合がほとんどです。
Day 2〜以降:それ以降の日程に招待される企業群。優秀層がDay 1で抜けた後に残った学生層と競争することになります。
この仕組みが意味するのは、「日本企業の多くはDay 2以降になりがちだ」という現実です。選考が短期集中型(1日で複数ラウンドを実施)であること、内定を受ければ翌日には就職活動が終わることなど、日本企業が慣れ親しんだ採用プロセスとは根本的に異なります。
日本企業がIITのキャンパスプレースメントに参加する際に直面する主な課題は以下の3点です。
①知名度の低さ:IIT学生の多くにとって、ソニー・日立・富士通といった日本企業のブランドは、GoogleやAmazonに比べ知名度が低い状態です。事前のブランディング活動(Tech TalkやハッカソンのスポンサーなどのEngagementイベント)が採用成功の鍵になります。
②タイムラインのミスマッチ:日本企業の採用決裁プロセスは遅い傾向があります。IITでは「内定を出したら24〜48時間以内に返答が必要」というケースも多く、社内決裁に時間がかかる日本企業はオファーを辞退されるリスクがあります。
③給与水準の差:IIT卒業生のインドでの平均初任給は約250万円程度ですが、Googleなどの外資系大企業では年収1,000万円を超えるオファーが出ることもあります。日本企業が提示できる給与水準をどのように設定するかが重要な検討課題です。
上記の課題を踏まえた上で、日本企業にとって最も現実的かつ効果的なIIT採用の入口が、JETRO(ジェトロ:日本貿易振興機構)が主催・支援する「Japan Career Day(旧Japan Day)」です。
Japan Career Dayは、JETROとIIT-Hが共同で開催する日本企業向けのキャンパスリクルーティングイベントです。2018年に初回が開催され、2025年の第8回(2025年8月29〜31日)まで毎年継続して実施されています。
第7回(2024年8月24〜25日)では18社の日本企業が参加し、IIT-H在校生および日本在住のIIT-Hアルムナイを対象に採用活動を行いました。参加企業は大手上場企業から中小企業・スタートアップまで多岐にわたります。
また、採用だけでなく「Japan Co-Research Day」も同時開催されており、日本企業とIIT-Hの研究者が共同研究の可能性を探るセッションも設けられています。2025年の第8回では4社が共同研究プログラムに参加しました。
JETROの発表によれば、Japan Career Day(および関連採用活動)を通じてIIT-H卒業生を採用した日本企業は累計100社以上、採用実績は2025年時点で210名以上に達しています(※8)。採用企業の具体例は以下の通りです。
さらに、スタートアップ・SMEの参加も増加しており、AI・ロボティクス・組み込みシステムなど専門性の高い職種で即戦力人材を確保するケースが増えています。

IIT-H卒業生のインドでの初任給は、専門分野や企業規模によって異なりますが、目安として以下の通りです:
| 採用先 | 初任給水準(年収) |
|---|---|
| インド国内IT大手(Tata、Infosys等) | 70〜90万ルピー(約120〜155万円) |
| 外資系テック(Google、Microsoft等) | 200〜500万ルピー(約340〜855万円) |
| 日本企業(Japan Career Day経由) | 500〜800万円(日本円ベース) |
| スタートアップ(ストックオプション込み) | 大きく変動 |
日本企業が日本円ベースで提示する給与は、インドの外資系と比べると競争力がある水準に映ることが多く、日本での生活・キャリア機会という付加価値も武器になります。ただし、卒業生の昇給率はインドでは毎年15〜20%と高く、5年後には日本企業の給与水準に追いつくケースもあります。長期的な報酬設計と成長機会の提示が重要です。
リサーチと事例を踏まえた上で、日本企業がIIT卒業生の採用を具体的に進めるための実践的なステップを整理します。
ルート①:JETROのJapan Career Day参加(推奨:初めての企業)
JETROが主催・調整を担うため、IIT-Hとのコネクションがなくても参加できます。毎年7〜8月に開催される本番イベントに向けて、JETROのインド拠点(ニューデリー・チェンナイ等)を通じて参加申込みができます。JETROの企業支援サービスを活用することで、採用に必要な現地アレンジメントを低コストで進められます。
ルート②:採用支援エージェントの活用(推奨:スピードを重視する企業)
「ASIA to JAPAN」「Tech Japan(Talendy)」「Yaaay Freshers」などのIIT特化型・インド人材特化型の採用エージェントが増加しています。これらは日本語でのコミュニケーションが可能で、JEE出身者のプール人材への直接アクセスやビザ申請・入社手続きのサポートも受けられます。ただしエージェントフィーが発生するため、採用コスト試算が必要です。
ルート③:大学との直接連携(推奨:継続採用・共同研究を組み合わせたい企業)
IIT-Hの場合、JAPAN DESKを通じた直接連携が可能です。スズキや三菱電機のように研究協定(MoU)を締結してキャンパス内にプレゼンスを持つことで、学生からの認知度を高め、採用優先度を上げることができます。これは中長期の投資になりますが、継続的な採用パイプライン構築に最も有効です。
IITのキャンパスプレースメントに合わせた選考では、以下の点を意識してください。
インドのITエンジニア採用については、こちらの記事も併せてご覧ください:インド人ITエンジニア採用のすべて|年収相場からIIT新卒、採用の注意点まで徹底解説
採用と同様に重要なのが、採用後の定着です。IIT卒業生に限らず、インド人材が日本企業で「期待以下だった」と言われる場合、多くはオンボーディングの問題です。
はい、IIT卒業生の講義はすべて英語で行われます。授業での討議・論文執筆・プレゼンテーションもすべて英語が前提です。したがって、ビジネスコミュニケーションに耐えうる英語力は全員が有していると考えて問題ありません。ただし、アクセントや語彙の傾向はインド英語特有のものがあるため、最初は慣れが必要なケースもあります。
JETROのJapan Career Day(IIT-H)への参加は、JETROのビジネス支援サービスを通じて申し込みが可能です。参加費はJETROの利用形態(有料会員・非会員等)によって異なります。詳細はJETROのインド拠点(ニューデリー・チェンナイ・バンガロール等)にお問い合わせください。業種・規模の制限はなく、スタートアップから大企業まで参加実績があります。
目的によって異なります。日本企業との連携実績・日本語対応窓口の観点ではIIT-Hが最も適しています。CSや機械学習分野で最高水準の人材を求めるならIITボンベイ・デリー・マドラスへのアプローチが有効です。初めてIIT採用に取り組む企業はIIT-Hから始め、JETROの支援を活用するのが最もリスクの低いスタートとなります。
日本国内での就労には「技術・人文知識・国際業務」ビザの取得が必要です。IIT卒業生は学歴要件・専門性要件を十分に満たすため、ビザ取得の難易度は高くありません。採用エージェント経由の場合、ビザ申請サポートを提供しているケースが多く、入国管理手続きを一括で委託できます。
個人差は大きいですが、IIT出身者は言語習得能力が高く、業務に必要な日本語(ビジネスメール・簡単な会話)は6〜12ヵ月程度で習得する人材が少なくありません。ただし、N2・N1レベルを前提にした業務設計は入社初期には向きません。採用時に「業務英語+日本語学習支援」というセットで提示することが、候補者の安心感を高めます。
IIT-HのサマーインターンはJETROのJapan Career Dayと連動しており、インターン採用の枠はJETROのサポートを受けながら確保できます。またASIA to JAPANやTech Japanなどのエージェントも有給インターンプログラムを提供しています。インターン期間中に明確な評価基準を設け、本採用への意思決定を「インターン終了後2週間以内」に行う設計にすることが、PPO(Pre-Placement Offer)としての機能を最大化するポイントです。
フィットする可能性は十分あります。IIT卒業生の多くは「大企業への安定就職」よりも「技術的なチャレンジ」「成長機会」を重視する傾向があります。スタートアップが提供できる「最先端技術に直接触れる機会」「意思決定の速さ」「ストックオプション等の上昇期待」は、IIT卒業生にとって魅力的に映ることが多いです。実際、Japan Career Dayへの参加企業にはスタートアップも複数あり、採用実績を出しています。
IIT(インド工科大学)は、23校合計で毎年約1.5万人の卒業生を輩出するインド最高峰の理工系大学群です。その入学難易度は世界屈指で、150万人が受験するJEEを通過した上位1%だけが入学を許される「究極のエリート選抜」を経た人材が集まっています。ラジャスタン州コタの受験文化が象徴するように、彼らは幼い頃から苛烈な知的競争の中で磨かれた思考力と自走力を持ちます。
日本企業にとって最も接近しやすいIITは、JICAと日本政府の支援によって設立されたIIT-H(ハイデラバード校)です。JAPAN DESKというハードが整備され、JETROが毎年支援するJapan Career Dayを通じて、スタートアップから大手まで100社以上の日本企業が210名以上の卒業生を採用してきた実績があります。
採用を成功させるには、「Day 0/Day 1の競争構造を理解した上での早期接触」「1日完結の選考プロセス設計」「インターンシップを先行させるPPO戦略」の3点が不可欠です。採用後の定着には、明確なキャリアパスと継続的な技術的挑戦の提供が鍵となります。
インドのIT人材市場は今後も拡大し、日本の2030年に約59万人と試算される高度IT人材不足を補う最有力のソースの一つです。IIT採用という選択肢を、今年の採用計画に織り込む時機が来ているのではないでしょうか。
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