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2026.02.04 / INTERVIEW
CLIENT PROFILE/クライアントプロフィール
会社名 :TANITA India Private Limited
事業内容 :
家庭用・業務用計測器(体組成計・ヘルスメーター等)の製造・販売、健康サービスの提供
企業ホームページ :
タニタ様は、「健康をはかる」から「健康をつくる」へ、健康総合企業として家庭用・業務用の体組成計や「タニタ食堂」などの健康サービスを展開されています。インド法人であるTANITA India Private Limitedは、成長著しいインド市場において、計測機器の販売だけでなく、日本同様の総合的な健康サービスの展開を目指しています。
今回は、INDIGITALの田中啓介が、弊社のタレントアクイジション(RPO)サービスをご利用いただいているTANITA India Private Limitedのマネージングダイレクター桐生絋輔氏をお迎えし、インド進出の現状や、タニタ独自の「日本活性化プロジェクト」、そして海外駐在と個人事業主を両立する新しいキャリア戦略について伺いました。(本記事は弊社関連会社Global JapanのYoutubeチャンネル「インド進出支援ちゃんねる」の内容をもとに作成しています。)
田中:ではまず最初に、簡単に自己紹介とタニタという会社についてご紹介いただけますでしょうか。
桐生:元々新卒でメーカーに勤めて、そこから約16年間勤務し、その間香港とフランスに駐在していました。2022年に前職を退社し、自分で会社を立ち上げると同時並行でタニタに入社をして、今回タニタの駐在員としてインドに赴任しております。 タニタの事業は、日本でもご存知かもしれませんが、体重計・体組成計を家庭用および病院やフィットネスなどの業務用として納めています。また、「タニタ食堂」や「タニタカフェ」といった健康的な食事の提供など、いわゆる総合的な健康サービスを展開しております。インドでは今、日本と同じようなサービスを提供できればいいなということで、1年半前からこちらに赴任し、事業の開拓・立ち上げをやらせてもらっています。

田中:これまでの経歴の中でフランスや香港にも駐在されたとのことですが、インドの生活環境についてはどう感じていらっしゃいますか。
桐生:香港とフランスという、いわゆる先進国に駐在してきまして、特に香港は日本よりも便利で住みやすいですし、フランスも美しい国でした。それらを経てのインドですが、やはりまだまだ発展途上国ですし、ご存知の通りひどい渋滞ですし、家や出張先でも日常茶飯事にトラブルが起きます。 大変な部分もありますが、バンガルールは気候が良く、暑くもなく寒くもなく湿度も低いです。あと、インド人は結構親切なので、住んでみると意外と住みやすいなという部分もあって、家族にとってもいい経験をさせてもらっているなという感じです。
田中:仕事面において、過去の駐在国との違いはどう感じていますか。
桐生:フランス(ヨーロッパ)は市場として成熟していて、人生における仕事の優先順位が1番ではありません。いかに生活の質を上げるかが重要視される中で、単価を上げてブランディングをしていくビジネスモデルでした。香港も私が駐在した当時はピークに差し掛かる頃で、そこからは市場のパイの奪い合いをどう勝ち抜くかという環境でした。 一方でインドは、明らかにこれから伸びる市場ですし、世代も若く、スタートアップもいっぱいいます。健康問題がインドにとってすごくシビアな問題になっているので、ヘルスケアという切り口でアプローチできるのは、とてもやりがいがあって楽しいなと思いながらやっています。
田中:タニタ様の働き方改革に関する書籍を読ませていただきまして、「日本活性化プロジェクト」という制度があることを知りました。これはどういった制度なのか教えていただけますでしょうか。

桐生:タニタの社員の中でもっと働きたい、時間管理など関係なくミッションベースでしっかり働いてその成果をもらいたい、という社員に対して、個人事業主化してタニタと業務委託契約を結ぶ取り組みを推奨しています。 元々は働き方改革が日本で広まりつつある中で、単なる残業削減ではなく、実力がある、あるいはもっとスキルアップをしたいという従業員に対してその場を提供したいという社長の思いがありました。一度退社をして、個人事業主として会社と業務委託契約を結び、ミッションとゴールを設定してそれに対する報酬を得るという形で働きます。
田中:実際に会社を退職して個人事業主になるというのは勇気のいる決断だと思いますが、運用状況はいかがでしょうか。
桐生:大体従業員の中の10%か20%ぐらいの社員が活性化メンバーとして働いています。もちろん不安もあると思いますが、逆に普通のサラリーマンとして勤めているとなかなか知らない経費のことや社会保険、税金のことなどを、個人事業主化することで知識として知るいい機会になります。私も自分で事業をしているので分かってきましたが、これはすごく前向きなプロジェクトだと捉えています。
田中:桐生さんご自身も起業されているとのことですが、インドで駐在をしながらご自身の事業ではどういったことをされているのですか。
桐生:今、インドと日本とヨーロッパの会社に対して技術支援を行ったり、日本や中国のサプライヤーから物を調達するコーディネート、あとはデザインやマーケティングの支援などをやっています。
田中:ご自身の事業もありながらタニタのお仕事もされているとなると、バランスの取り方が難しいのではないですか。
桐生:やはり今、タニタのインド事業立ち上げの課題が山積みでやることがすごく多いので、どうしてもそっちに集中せざるを得ない状況です。自分の仕事の方は業務委託しているメンバーにある程度任せて、私はインボイスの発行や契約書の確認、支払いといったバックオフィス的な業務を、日曜日の朝や平日の深夜などの空いている時間でやっている状態です。
ただ、スキルアップをしたいという人にはすごく向いている働き方だと思います。一つの会社に長く勤めているとなかなかスキルが応用できるか難しい部分もありますが、今回起業して自分の事業をやる中で、駐在員の方の気持ちも、スタートアップやコンサルの方の考えもなんとなく分かってくるようになりました。
田中:今後、タニタとしてインド市場で実現していきたいことについて教えていただけますでしょうか。
桐生:日本で展開している総合的な健康サービスをインドでも展開したいというのが最終的な目標です。まずはファーストステップとして、業務用の体組成計を病院やフィットネスジム、ホテルなどに、家庭用をご家庭に提供していきたいです。先日、ハイデラバードに行った時も、体験コーナーへの食いつきがすごく良かったんです。インドの人は今まで「測る」経験がないので、興味津々で列をなしてくれます。「測る」ことが健康の第一歩になればいいかなと思っています。 そして将来的には、よりインドに根付いた、さらに日本とはちょっと違ったインドならではの総合的な健康サービスを展開したいと思っています。
田中:最後に、海外就職やインド就職に興味を持っている方へメッセージをお願いします。
桐生:今はノマドワーカーなどが流行っていてどこでも仕事ができると思いますが、その中で業種や業態によってどこに機会があるかを見極めて、そこにすぐホッピングできるというのはすごく重要だと思っています。インドは市場としてすごく伸びていますし、日系企業にとってチャンスの宝庫です。色々なトラブルもあって大変ですが、チャレンジしがいはあるのかなと思っています。どこにチャンスがあるのかをリサーチしながら、チャンスがあるところにすぐホッピングできるような状態にしておくというのはすごく重要なんじゃないかなと思います。

本日は、インドで実現する海外移住とキャリア戦略の可能性というテーマで、TANITA India Private Limitedのマネージングダイレクターの桐生さんにお話を伺いました。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました