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Vol. 007 DaveAIのオンライン販売ソリューション

2022.07.13 / PARTNERS

Vol. 007 DaveAIのオンライン販売ソリューション

(文責:福成千穂/株式会社INDIGITAL)

1. 小売業の課題

この度の新型コロナ感染拡大により、消費の購買行動が実店舗からオンラインへシフトしたり、生活に密着した消費財や巣篭もり需要が急増するなど、小売業のビジネスにも大きな変革が迫られました。オンライン販売については、初心者でも簡単に開設できるECサイトが増えてきたとは言えども、基本的なITスキルやそれに対応できる人材は必要です。また、ECサイトを難なく立ち上げられたとしても、ECサイトへ支払う費用負担による利益率低下や、デジタルマーケティングならではの需要予測・他社差別化などの新たな対応も必要でしょう。今後感染が収束しても、この流れは変わらず、むしろECサイトと実店舗の各々の利点を最大限に活かせるように棲み分けをして、収益を拡大する方法を考えていかなければなりません。

一方、インドではコロナ禍以前より、オンライン販売は活発に利用されています。実際、弊社のベンガルールオフィスでも、食事時にはデリバリーされた食事がエントランスにあふれかえります。しかし、まだ単純に注文したものを発注するというものが大半で、顧客の過去の利用実績に基づいた嗜好に応じてレコメンドするオンライン販売は限られています。このような状況で、インドのOne to Oneマーケティングに対応すべくして誕生したDaveAIをご紹介したいと思います。この度、同社のCo-Founder兼CEOのSriram氏にインタビューし、AIによるオンライン販売ソリューションに対する情熱を語っていただきました。

2. DaveAIが提供する価値

会社概要

会社名:Sociograph Solutions Private Limited

本社:インド(ベンガルール)

設立:2016年

従業員:60名

従業員構成:データサイエンティスト、データエンジニア、フルスタックデベロッパー、マーケッターなど。

URL:https://www.iamdave.ai/

ニーズが異なる顧客ひとりひとりの満足度を向上させるには、まだごく一部の専門家しか扱えないAIを誰もが活用できるようにすることが重要です。DaveAIは、企業のエンゲージメントを高め、更なるリードクオリフィケーションとコンバージョンを通じて売上向上を支援する、販売促進プラットフォームです。DaveAIは、バーチャルアバターをベースにした4つのサービスにより、AIの知識や専任の技術者が不在の企業に浸透していくことを目指しています。

  • バーチャルアバター:ロボットのような機械でぎこちない声ではなく、ごく自然な言葉と表情でお客様と会話をすることができます。お客様の好みを理解した上で、音声とテキストの両方でお客様1人1人に見合う提案をします。
  • AIチャットボット:常に学習しながら、お客様のニーズを満たすために最適なセールストークを導きだします。具体的には、訪問回数や過去に会話した内容から見込み顧客を見極め、ニーズに見合う製品のデモンストレーションを提供し、アップセル&クロスセルなどをリアルタイムで提案します。
  • AIバーチャル店舗:バーチャル店舗は特にライフスタイル業界で人気が高まってきています。例えば、家具店であれば、実際にバーチャル空間上に展示して、大きさや色合いがイメージできるよう3Dで視覚化します。
  • AIマイクロ支店:この対話型キオスクは、顔検出機能を使用して顧客を特定し、顧客のプロファイルに基づいて対話を進めることで、シームレスな金融取引が実現します。現在、銀行、自動車、クイックサービス・レストランなどで利用されています。


3. 日本との連携において期待する領域

マルチスズキなど日本企業との協業実績があり、販売指標を30%以上改善させました。また、RestfulAPIも提供していますので、大企業は既存のECサイトとの連携も検討できます。また、専門性や独自性の高い中小企業などは、一般的なECサイトに出品するよりも個性を表現できるため、顧客のニーズに合ったご提案により顧客満足度を向上させることが期待できそうです。現時点では英語とヒンディー語などインドの言語しかサポートしていませんが、間もなく日本語やアラビア語などにも対応し、これらの国々での同社の事業を展開する予定です。多民族・多言語のインドをサポートするプラットフォームであることを考えれば、多言語対応はインド市場の翻訳ニーズとも合致しています。

弊社のTOPICで紹介したAI音声システムも、多言語対応の敷居を下げるのに一役買うことが期待されますが、同社のようなインド企業との協業により、多言語対応・海外展開が実現しやすい環境が加速していくように感じます。例えば、日本国内で通販のソリューションを提供する日本企業が同社と協業することでグローバル展開を目指したり、日本企業が同社の日本語対応を支援することができると考えます。このようなコラボレーションが広がれば、多言語対応はもはや課題ではなくなり、本来解決すべき本業の課題解決に注力できる日が到来すると期待されます。

*参考記事:多言語国家インドに挑む音声・会話AIの動向

以上

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