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Vol. 005 PQSI社のインダストリー4.0&製造業向けIoTソリューション

2022.05.21 / PARTNERS

PQSI社インダストリー4.0&製造業向けIoTソリューション

(文責:福成千穂/株式会社INDIGITAL)

1.日本のDXを阻む理由

今回、新型コロナウィルスの感染拡大は、我々の働き方やライフスタイルに大きな変化をもたらしました。例えば、これまで浸透しなかった在宅勤務が推奨され、業務効率を向上させた業種もあります。一方で、旧態依然の働き方を続けている業種もあり、明暗を分けたのも事実だと思います。例えば、物流が停止して工場の閉鎖を余儀なくされた製造業では、これまで以上に生産性向上を求められるでしょう。経済産業省のDXレポート*にもあるように、2025年の崖が急速に近づいている今こそ、DX推進を加速させるべきでしょう。

しかし、なぜ日本のDXは進まないのでしょうか。製造業では、いわゆるベテランの勘・伝統・経験に頼る慣習が根強く残っていたり、マニュアルがあってもその通りに実施されているか検証する手段がなくブラックボックスになっていたり、形骸化しているケースもあると思います。DXに成功した企業はどのくらいあるでしょうか。経営者が危機感を持って挑んだとしても、短期的な投資対効果を見出せず、現場責任者から一蹴されることもあるでしょう。

そこで今回、インドのチェンナイに本社を構えるPQSI Digital Private Limited(以降、PQSI)の創業者でCEOのVenkat Krishnaさんにインタビューさせて頂き、インダストリー4.0のソリューションについて伺いましたのでご紹介いたします。

2.PQSI社が提供する価値

会社概要

会社名:PQSI Digital Private Limited

本社:インド(チェンナイ)

設立:2018年

従業員:15名

従業員構成:顧客対応3名、製品開発2名、実装3名、及びコンサルティングチーム

URL:http://www.pqsi.in/

ここではVenkatさんのインタビュー内容をもとに、記事にしています。

(1) アセスメント

最初は作業プロセスの標準化です。まず、作業手順を特定・定義し、データとマッピングする必要があります。データは各ソースから取得し、それを “データポイント”と呼んでいます。 従来のインダストリー4.0変革のアプローチでは、変更管理に関する十分な規定がありませんでした。しかし、我々のStatPortは、データポイントがソースレベルでの変更を識別することができ、エンドユーザーが容易に変更に対応し、管理できるようにすることを支援します。

次に、人によって異なる手作業など、作業負荷を軽減したい具体的なデータポイントを明確にします。

そして、そのデータをセンサーで自動的に取得できないかどうか検討します。例えば、数百台のミシンがある工場では、針に小さなセンサーを取り付けて稼働状況や生産性をチェックすることで品質管理に成功しています。

これはごく当然のことで、難しいことではないように思われるかもしれませんが、手順通りに作業していないためデータが取得できなかったり、作業者個人がデータを所有していて全体の流れを把握できないなど、様々な問題に直面します。よって、最初の作業の標準化は非常に困難なのです。しかし、最初の標準化で各ソース内のデータ構造を把握することで、ビジネスが変化した際の監視・管理が容易になります。

(2) ワークフロー自動化

取得したデータを手作業で集計したり分析するのはリソースの無駄遣いになるため、収集したデータを自動的にストーリーボードに纏めることが必須です。お客様から様々な構成をご要望されることもありますが、個別にカスタマイズするのではなく、自動的に生成することが重要です。15分の報告のために何時間も集計や分析に費やす必要はないのです。こうして、収集するデータを特定し、データの活用方法を決め、データを見える化したら、いよいよ収集したデータを分析する準備が整います。

例えば、製品の製造工程ごとに、「成功」「保留」「エラー」のステータスを青、赤、黄の3色でダッシュボードに表示することができます。また、保留中の工程をクリックすると、実行ログがリスト形式で表示され、失敗の要因を確認することができます。ステータスはほぼリアルタイムに更新されます。実行ログはフィルタリングしてCVS形式でダウンロードし、共有することもできます。各工程の担当者にはメールやWhatsAppでステータスがエスカレーションされ、いつでもステータスを確認することができます。

(3) 成果重視

しかし、どんなに優れたソリューションでも、初期投資が高額であったり、投資対効果が出るまでに時間を要すると、企業はなかなか導入の決断を下せません。まずは少額で投資を始め、投資対効果があるかどうかを確認できることが重要です。従来はPLC**が高額でしたが、Azure IoTなどのプラットフォームや、各種製造装置ベンダーの100~200ドル程度のIoTのセンサーやプローブにより、低コストでIoTソリューションを導入できるようになりました。これにより、PQSIが支援した企業は契約後1年以内に投資回収しています。

**PLC:Programmable Logic Controller

3.日本企業との連携において期待する領域

『重要なのは、手作業をなくし、自動的にデータを収集することです。手順書1枚は、その保管コストを含めると10ドル程度にもなります。同社は、統計的工程管理、製造、生産管理、分析などの経験により、毎年約40万枚の書類を自動化しています。日本でも、システムが古くなり世代交代する前に、紙の手順書や手順書がない属人的な工程を排除し、可能な限り自動化する必要がある。』とVenkat さんは言います。

OEE(Overall Equipment & Effectiveness)ダッシュボードはJITM、SPC(Statistical Process Control)はJUSE-TQMに準拠し、日本のモノづくりに基づいた分析・管理が可能。また、電光掲示板が点灯して呼び出しボタンが押された手動の操作のステータスも確認することができるとのこと。

PQSIは、導入から成果確認まで伴走することをモットーに、トレーニングやサポートを通じて、データドリブンな管理体制へと導いています。

中小企業向けには、月額1万ルピーから始められるサブスクリプションタイプのサービスも用意しているため、まずはインドに工場を持つ日系企業で試行してみるのはいかがでしょうか。そこで成功体験を積めば、徐々に対象規模や拠点を拡大していくことも検討できます。これまでは製造業を対象としていましたが、他の業種にも展開していきたいと考えているとのことです。このソリューションにご興味を持った方は是非、弊社INDIGITALまでお問い合わせ下さい。

***JITM:Japanese Institute of Productive Maintenance
****JUSE-TQM:Union of Japanese Scientists and Engineers – Total Quality Management

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