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2024.05.31 / COLUMN
インドのラボ型開発は多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。今回はインドのラボ型開発に関連する基本情報から特徴、メリット・デメリット、適した企業までを詳しく解説します。
ラボ型開発は、特定のプロジェクトに取り組むために現地のエンジニアチームを組成し、日本企業が管理・運営する形態のオフショア開発手法です。日本企業は、開発メンバーの選定、プロジェクトの進捗管理、品質管理などを行い、原則、開発チームは日本企業の指示に従って開発を行います。ラボ型開発は、オフショア開発の中でも、日本企業側が主導権を持って開発プロセスに深く関与できるため、必要な開発リソースを安定的に確保しながら、品質の高い開発成果を期待することができます。
ラボ型開発と請負型開発は、どちらもオフショア開発の手法ですが、いくつかの重要な違いがあります。ラボ型開発は、長期的な協力関係を築くことを目的としており、日本企業が主導する形で開発チームを管理・運営し、開発チームのメンバーは日本企業の指示に従って実装・開発を行います。一方、請負型開発は、短期的なプロジェクトを目的としており、日本企業は開発チームに開発を委託し、開発チーム側が主体的に開発を進め、日本企業が期待する成果物に対して一定の責任を持って実装・開発を行います。 どちらの手法が適しているかは、プロジェクトの規模、想定される期間、開発内容によって異なりますが、もし開発をするプロダクトの要件が明確に定義されていないような場合には実装プロセスにおいて一定の柔軟性が求められる可能性が高いため、ラボ型によるアジャイルで開発を進めた方が良いと言えます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社にとって最適な手法を選択することが重要です。
ラボ型開発の契約形態は一般的に準委任契約(特定の業務を一定の時間行うことを定めた業務委託契約の一種で、その業務を遂行することが目的となり、その結果や成果物の完成については責任を負わない契約形態)を前提とすることが多いですが、固定費用型と時間単価型があります。固定費用型は、必要な開発リソースと人月単価等に基づき開発の費用を事前に決めておく契約形態です。開発の規模や期間が明確な場合に適しています。時間単価型は、開発に要した時間に応じて費用を支払う契約形態です。開発の規模や期間が不明確な場合や、開発の途中で仕様変更が発生する可能性がある場合に適しています。 どちらの契約形態が適しているかは、プロジェクトの状況によって異なります。固定費用型は、開発費用がある程度は事前に決まるため、予算管理がしやすいというメリットがありますが、一方で、時間単価型は、開発の途中で仕様変更が発生した場合でも、柔軟に対応できるというメリットがあります。
インドは欧米の世界的な企業における勤務経験が豊富で、高い技術力を持つエンジニアが多く、特に、Web3やAI関連技術を含むさまざまなソフトウェア開発、モバイルアプリ開発、Web開発など、IT分野でその実力が発揮されています。インドのエンジニアは、数学や科学の教育レベルが高く、英語にも堪能な人が多いです。そのため、日本企業が求める高度な技術開発にも対応できます。
インドでは英語が公用語であるため、日本企業とのコミュニケーションがスムーズに行えます。また、多くの日本企業の実績として、英語でのコミュニケーションに多少の不安がある場合であっても、生成AI等を含む自動翻訳機能を活用しながらチャットベースでのコミュニケーションを活用することで多くのケースにおいて基本的には問題なく開発を進めることができます。
経済成長が著しいインドでは、人件費が他の東南アジア諸国に比べて高い傾向があります。しかし、一般的に技術に対する投資対効果およびその価値が比較的に高いと評価されています。その一つの理由がインド人特有のインターパーソナルスキルとリーダーシップです。さらに、世界中にグローバルフットプリントを持つインド人は、日本企業が自社プロダクトをグローバルに展開する際に、開発だけでなくマーケティングやカスタマーサポートにおいても貢献してくれるポテンシャルに秘めているからです。
時差や文化的価値観の違いから、コミュニケーションが難しくなるケースもあります。特に、開発の進捗状況や問題点などを共有する際に、誤解が生じやすいです。相手の文化を理解した上で、適切なプロジェクト管理方法の構築と効果的なコミュニケーションの取り方を理解することが重要です。インド人とのオフショア開発における文化的適合性に関する考察についてはぜひこちらの記事もご高覧ください。
コストを重視するなら、現地のソフトウェア開発会社を選びましょう。現地のソフトウェア開発会社は、日本企業に比べて人件費が安く、開発コストを抑えることができます。ただし、日本語対応ができる開発会社は稀有なため、開発タスクの指示だしを英語で明確に行う必要があります。
日本語でのやり取りが必要な場合、弊社のような日系のオフショア開発会社を検討するのがベストです。日系のオフショア開発企業は、日本語でのコミュニケーションがスムーズに行え、かつ、インド人の文化や慣習を理解した上でのプロジェクト管理に慣れているため、安心して開発を任せることができます。
開発会社の過去の実績を確認し、信頼性を見極めることも重要です。開発会社のウェブサイトや口コミサイトなどで、過去の開発実績や顧客からの評価などを確認しましょう。また、実際に開発会社に問い合わせて、過去の類似プロジェクトについて詳しく説明してもらうのも良いでしょう。
インドのラボ型開発は、多くのメリットを持ちながらも、適切なプロジェクト管理手法のコミュニケーション体制の構築が重要です。インドのラボ型開発の特徴やメリットを最大限に享受するためには、信頼できる開発会社を選び、適切なプロジェクト管理を行うことが重要です。ぜひこの記事を参考にして、自社に最適なオフショア開発の形や開発リソースを確保する方法についてご検討ください。