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【新しいインド人材獲得術】リモート時代だからこそEORを活用して海外進出せよ!

2025.09.26 / COLUMN

【新しいインド人材獲得術】リモート時代だからこそEORを活用して海外進出せよ!

日本企業が直面する人材不足と新たな選択肢

日本の労働力人口は約6,800万人(2023年時点)とされており、毎年80万~100万人規模で減少しています。これは市場の縮小と並行して進行しており、IT業界・建設業界・ホスピタリティ業界など、多くの産業に深刻な影響を及ぼしています。こうした背景のもと、若くて優秀でITリテラシーに優れたインド人材への注目度はかつてないほど高まっています。グローバル化、そして、デジタル化を推進するためには、もはや海外人材の獲得は避けて通れない経営戦略なのです。

従来の海外進出が抱えていた壁

これまで日本企業が海外人材を活用するには「現地法人の設立」が前提とされてきました。しかし、この従来型アプローチには大きな課題が伴います。

高額な初期投資

法人設立初年度から1,000万円近くのコストが発生。運用コストも毎年500万円以上かかる。

長期化する設立プロセス

法人設立には最低でも半年から1年以上を要するケースも多い。株主として対応すべきコンプライアンスも増えており、想像以上の工数・労力が発生。

煩雑なコンプライアンス

経理、税務申告、会計監査、給与計算、労務管理など、駐在員への負荷が多すぎて本業に集中できない。一向に事業が立ち上がらない。

こうした要因から、多くの企業が「海外進出=高コスト・高リスク」という思い込みに縛られてきました。

新しい解決策:EOREmployer of Record)の活用

そこで注目されているのが、EOREmployer of Record)サービスです。EORとは、現地に法人を設立せずとも、弊社のような代行事業者が法的な「雇用主」として給与計算や労務・税務対応を担う仕組みです。

【EORのメリット】

現地法人不要
低コスト・低リスクで海外人材の採用が可能。

スピード感のある展開
設立に1年かかる従来型に比べ、短期間で人材を確保。

幅広いサポート
人材採用支援、日本語研修、レンタルPC手配、オンボーディング支援、給与計算、勤怠管理、人事管理ツールまで一気通貫。

中小企業やスタートアップにも有効
従来参入が難しかった中小企業やスタートアップでも海外展開のチャンスが拡大。

実践事例とEOR活用イメージ

実際に弊社のEORサービスを利用してインドに進出している多くの日系企業様の事例の中から典型的なケースを7つピックアップしてご紹介いたします。

No.企業事例       雇用人員  EOR活用の背景             
1日系製造業向け大手システム開発企業様インド人
複数名
インド国内顧客向けカスタマーサポート機能として弊社が代替雇用
2日系大手コンサルティング会社様インド人
10名
GCC拠点の立ち上げとして弊社が代替雇用
3日系スタートアップ企業様インド人
7名
開発拠点の立ち上げとして弊社が代替雇用
4日系スタートアップ企業様日本人出向者1名インド事業立ち上げ責任者として弊社が出向者受け入れ
5日系大手地方銀行様日本人出向者1名インド調査・サービス開発担当として弊社が出向者受入
6日系大手物流グループ船舶管理会社様インド人
1名
安定した雇用関係構築を目的に弊社が代替雇用
7日系大手精密機器メーカー様インド人
3名
現地法人立ち上げまでの期間のみ弊社が代替雇用

このように、EORはスタートアップから大手製造業、金融機関まで幅広く活用されており、それぞれの企業ニーズに応じた柔軟な進出を可能にしています。

留意点と文化的な橋渡し

EORの活用にあたっては以下の留意点があります。

税務リスクへの対応
特にインドでは2019年10月より、OECDの多国間条約(MLI)に基づき日印租税条約の一部規定が改訂されました。従来の「契約締結」だけでなく、「契約の締結に至るまでの交渉等を含む主要な役割(principal role)」を担う場合も代理人PEとして認定され得るため、定義範囲が拡大しています。EOR活用時には、PE課税リスクを十分に検討する必要があります。
(より詳しいPE課税の解説についてはこちらの記事をご覧ください。)

文化的ギャップの克服
日本とインドでは、時間感覚や仕事への価値観が大きく異なります。せっかくインド人材を採用したのにコミュニケーションが噛み合わなければ事業で成果は出せません。弊社では、こうした違いに対して橋渡しをするための「文化知性(CQ)」の開発支援を行っており、現地チームと日本本社が共に成果を出せる体制づくりをサポートしています。文化の違いに橋をかける弊社のチームづくり支援についてご興味のある方はぜひお問い合わせください。
(先日、日印チームの“すれ違い“を解消するワークショップを開催しました。こちらの開催報告記事もぜひご覧ください。)

まとめ:リモート時代の海外進出戦略

現地法人設立という従来の高コスト・高リスクな手法に代わり、EORは「低コスト」「低リスク」「スピード感」を兼ね備えた新しい海外進出の形です。リモートワークが一般化した今だからこそ、日本企業はEORを活用して、インドをはじめとする優秀な海外人材を柔軟に採用することができます。

私たちINDIGITALのEORサービスは、インド現地の法律および実務に精通したインドに常駐する数多くの日本人コンサルタントを含む専門チームが日本企業を強力にサポートし、法規制・文化の違いを乗り越えてスムーズな進出を実現します。グローバルでの成功の第一歩を、現地法人を設立せずに、まずは踏み出してみませんか。

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